男子(♂)
会長(♀)
【ト書き1:男子と会長は幼馴染で周りには秘密の恋人同士】
【ト書き2:昼休みに放送で生徒会室に呼び出された男子】
男子:しっかし、生徒会室に呼び出しだなんて…
俺、何かやったっけ…?
【生徒会室前】
男子:失礼しまーす!
会長:あ、ようやく来た…遅いわよ。
男子:んなこと言ったって…友達と飯食ってる時に呼び出すからだろ?
これでも急いで食って来たんだよ。
会長:だったらご飯持ってきて、ここで食べれば良かったじゃない?
男子:馬鹿言うなよ…もしかしたら何か怒られるかもしれないし、弁当持ってなんかいけないだろ。
会長:何?何か怒られるようなことしたの?
男子:俺はしてないけど…そっちが勝手に怒ってる場合もあったしなぁ。
会長:それは…あんたが誤解されるような事をしたからでしょ。
男子:まぁ、いいや。…んで?何の用だよ?
会長:特に急ぎの用って訳じゃないんだけど…ただ渡したいものがあったから呼び出しただけよ。
男子:渡したいもの?
会長:あんた…今日、何の日か忘れたの?
男子:今日って…あっ!バレンタインデーか。
あっ、もしかしてチョコくれるの?
会長:そういうこと。教室じゃ何かと面倒だし…
男子:それで生徒会長権限で呼び出したって訳か。いっけないんだー♪
会長:あんたがいつも誰かとつるんでるから声かけづらいのよ。
要らないならあげないわよ?
男子:嘘です、ごめんなさい、欲しいです…
会長:よろしい。んじゃ…はいこれ。
男子:お、サンキュー♪
…あ、しかも手作りじゃん♪
会長:まあね。結構自信作。
男子:マジで!?超楽しみだわ♪
しっかし…お前ってこうやって強引な割に、変な所で遠慮するよな?
会長:別にそういうわけじゃないけど…
あんたが誰とでも仲良いから、時々不安になる時があってさ…
男子:えっ?そうなのか?
会長:あんた、クラスの他の女子とも仲がいいからさ…それ見てると、本当に私が彼女なのか、不安になる時があって…
男子:…ったく…そんなこと思ってたのか…
しょうがないなぁ…(そっと抱きしめる)
会長:えっ!?ちょっと…!?
男子:(批判を遮るように)まったくお前は…幼馴染で…腐れ縁で…責任感強くて…すぐ拗ねたりする気分屋さんだけどさ…
でも…そんなお前だからこそ、俺は好きになったんだぜ?
会長:わかったから…離してよ…
男子:やだ。
俺の事信用してくれるまで離してやんない。
会長:もう…分かった。
…私もあんたの事、大好きだし…信用する…
男子:へへっ♪良かった。
会長:まったく…あんたも大概、強引なんだから…
男子:そりゃ、お前みたいな素直じゃない女の子を好きになっちゃったからなぁ…
惚れた弱みっつーか、そりゃ強引にもなるさ。
会長:…でも…ありがと…
男子:どういたしまして♪
【おしまい】